ユートピア?
きのうは岸田首相の記者会見をテレビで観た。前職の人と変わってカメラの向こうを意識して言語明瞭、弁舌巧み、声も聴きやすいいい声だと思った。なんかまるで学級委員長のようだと思った。そうなのだ。この人はよくも悪しくも学級委員長キャラなのだ。話されている内容は多岐にわたるが、ふと、このスピーチをこのまま50年前の人が聞いたらどう思うだろうかと思った。日本の宰相が国民の声によく耳を傾け、国民の不安に寄り添い、そして現金を給付する。コロナ禍という平時ではない状況だということを差し引いても、たぶん50年前の人にとっては、一種のユートピアが実現したんだと思うと思う。いや、50年前と同じくいまも自民党政権のままですけど、と言ったらたぶん信じないだろう。戦後日本の再生はたぶん力業の再生だった思う。朝ドラでも「家族を殺したアメリカ」というフレーズが出てくるが、そりゃそうだっただろうと思う。かつての敵国アメリカの安保の傘の下で国として生きていくという選択が当時の相当数の国民からむちゃくちゃ反発を食らったのは想像に難くない。現にそうだった。原理と原理、左と右が真っ向から衝突していた時代だった。東西冷戦もなくなり戦争の差し迫った危機もない中、いつしか原理はなんか古い臭いものになり、国民生活も多種多様になり、政策ニーズも爆発的に増え、自民党はたぶんかなり右から真ん中、ひょっとすると少し左な立ち位置になったのだろう。そりゃ野党の立ち位置はなくなるよね。これは日本政治の進化というべきなのか。それとも。。。