命がけの演説

きょうでロシアのウクライナ侵略からちょうど4週間。きのうはゼレンスキー大統領が日本の国会議員(即ちそれは日本国民ということだが)に向けてオンラインで演説を行った。備忘のため全文のリンクを掲げておく(https://logmi.jp/business/articles/326289)僕もテレビ越しにライブでこの演説は聞いた。同通の難しさはあったものの総じて非常に抑制された理性的かつ共感を持てるいい演説だった。何よりも驚いたのは大統領が1秒たりとも原稿的なものに目線を落とすことなくカメラの向こう側の我々を凝視し続けていたことだった。目線を外さないということはコミュニケーションテクニックの中でも一番大事とされているが本当にすごかった。何よりも彼はロシアから一番命を狙われている人だ。演説の最中にミサイルをぶち込まれる可能性だってある。文字通りこれは命がけの演説なんだということを感じた。そして、例えはよくないが、ひょっとしてこの演説は彼の日本人への遺言になるかもしれないとも思った。彼は演説で国際統治の改革や戦後の復興について話したがこの分野での日本に託する期待や想いがよく伝わってきた。「国際機関が機能しませんでした。国連の安保理も機能しませんでした。改革が必要です。機能するために“誠実の注射”が必要です。」というくだりは本当にその通りだ。他国の国土や主権を平気で蹂躙し、ウソしか言わないような最低の国が安保理の常任理事国だということはもはや悪夢のジョークでしかない。拒否権をもってロシアが居座るならそんな国連は解体して、国際秩序を重んじる、他国の主権や領土を尊重できる「まともな国」で新たな国際機関をこしらえ直すしかないのではないか。ロシアは体制変更ない限り統治する側にいるべきでないし、いさせてはならない。たった15分足らずの演説だったがこの演説から日本が背負ったものは大きい。いろんな意味でとても重い15分の演説だった。

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