熊本同心円

半導体不足が深刻だ。例年より猛暑と既に予想されているこの夏、エアコンが故障したら死ぬ。部品がないので、修理に数ヶ月を要するらしい。この話は4月から聞いている。中国の一挙手一投足で日本の僕らの普段の生活にこんなに影響が出るなんて、安い早いを優先して強権国家の隣国にサプライチェーンを依存してきたことの国家レベルのツケとリスクを今度こそ思い知った。そんな中、先週末の日経新聞に面白い記事が目にとまった。「日本製iPhoneいかが 円安をハイテク誘致の好機に」と題する記事で、TSMC進出を機にさらにシリコンアイランド化していく熊本にアップルの工場を誘致してはどうかというもの。熊本を中心に同心円を書いてみると半径1500キロ圏内に東アジアのハイテク都市がほぼ収まり、逆にいうと熊本は東アジアハイテク産業のど真ん中に位置すると。確かにすぐ横には空港もある。高速道路もある。福岡にも近い。何よりキーデバイス中のキーデバイス、イメージャーの雄、ソニーの主力工場がある。確かにいい考えだ。昭和の戦後復興期は通産省の国家レベルの産業政策がモノづくりの基盤整備にものすごく有効だった。令和のいま、経済と安全保障が世界同時に強くバインドされる中、むしろこういうことを好機と捉える発想は面白い。国の浮沈、九州の浮沈にも関わる大構想、単なる白昼夢に終わらせるのはもったいない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD180890Y2A510C2000000/

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