81万人
衝撃の数字だ。2021年に生まれた赤ちゃんの数は史上最少の81万1千人。出生率も過去2番目に低い。去年はコロナの緊急事態宣言でいきなり始まってオリンピックが終わる夏まで自粛が続き、とうとう内閣退陣にまでなった年だから、落ち着いて赤ちゃんを産んで子育てしようという環境ではなかった...ということを差し引いてもやはり衝撃だ。一方、死亡数は過去最高の144万人。差引63万人の人口自然減。鹿児島市が人口60万人だから、鹿児島市がひとつ消えてなくなる計算。うちの子どもは88年と90年生まれでその頃の出生数はだいたい120万人ちょいだから、たった30年で3分の2になった計算。どう計算してもありえないレベルになってしまった。子どもを産む女性の数が既に回復不能なくらい少ないので少子化はこれから乗数的に加速するのは必定だ。ウエッブで調べてみると欧米の少子化対策は ①結婚・同棲は双方に経済的メリットがある ②女性の職業上の差別がなく女性は仕事で自己実現を追求できる ③そもそも恋愛が盛ん ④子育て義務はその子が成人になるまで、の4つが前提になって政策が設計されているらしい。どれもいまの日本にはない前提。少子化以前の問題として、そもそも最近の子は結婚しないからなぁ。ともあれ、この人口減は既に日本経済に災厄をもたらしている。6月2日の日経新聞に掲載されたデイビッド・アトキンソン氏の論説「日本の病は『供給過剰』にあり」はまさにその通りだと思った。人口減が供給過剰を常態化し悪化させている。その需要供給ギャップを財政出動で埋めろと大合唱だ。そんなことしてたらいくらカネがあっても足りない。もう日本は開国して移民で人口を埋めるしか選択肢はないと思う。長きにわたるこの少子化は見えざる形の国民の選択だったのだから、国を維持するには仕方ない。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD266UC0W2A520C2000000/