超長寿企業

最近「事業承継」について少しまじめに勉強している。日本は長寿企業が世界に比べて多いということは知っていたがデータをみて認識を新たにした。創業100年以上企業の数を国別に調査した結果によれば、世界で最もその数が多いのは日本で3万3076社、世界総数8万66社の41%を占めるのだそう、ちなみに2位は米国(24%)、3位はスウェーデン(18%)。さらに創業200年まで絞っても1位は日本でその数1340、世界シェアはは65%まで跳ね上がる。(出典:https://consult.nikkeibp.co.jp/shunenjigyo-labo/survey_data/I1-03/) もっと驚くのは業歴1千年以上の企業が7社もあると。最も古いのは、「金剛組」(https://www.kongogumi.co.jp/)という会社で西暦578年創業。今年で1444年だ。聖徳太子が百済から宮大工の金剛重光を招き四天王寺を建立、その金剛重光が創業したものらしい。創業者の匠の技を承継、神社仏閣建築の設計・施工、城郭や文化財建造物の復元や修理等を主に手がけ、金剛一族が経営してきたが、2005年に経営危機に陥り資金繰りが悪化、「高松コンストラクショングループ」の支援を受け現在は新会社として事業を継続してとのこと。(出典:https://www.manegy.com/news/detail/1919) そういう知識をもって金剛組のホームページをみるとなんと味わい深く浪漫にあふれる会社か... なぜ日本にこうした長寿企業が多いかと言えば、それは古くからの「家督」という考え方が旧民法で担保されていたから。一家の長男は家業を継承し先祖代々の家や墓を守り、家族/一族の生活を支えていくということが権利であり義務であるとされていたから。いまの民法では家督は法律としてはなくなり兄弟が均等公平に親の財産を承継していくのが基本原理となったが、「事業承継」の世界では、もはや「後継者は長男」という決めつけこそないが、後継者に家業の権利義務を集中させ、家族一族の継続と繁栄という重責を担わせるという意味で、考え方は家督そのものであって、そこを、いまの時代のもろもろの法律原理とどうやって弁証法的解決を見出すのかという、極めてレベルの高いお仕事なのだ。面白い。もっと勉強しよ。

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