バンカー育成道場?

肥後銀行の肝煎りで創業・開業支援推進拠点として「スタートアップ ハブ くまもと」という施設がこの4月オープンした。先日、縁あってその拠点を見せてもらえた。熊本市中心部商店街ではコロナ禍で約2割に上るお店が休業、廃業に追い込まれたらしい。このままでは市中心部の賑わいの灯が消えてしまうという危機感から肥後銀行が音頭をとる形で産官学金連携で飲食店を中心に起業創業しようという気概のある事業者を、事業構想、事業計画、テストマーケティング、金融等々ワンストップで支援する場らしい。その意気やよし。初年度は100件の企業創業が目標で最初の3ヶ月でなんと25件の起業案件が実現したらしい。この拠点の責任者の西さんという肥後銀行から出向されている人は、2年前の球磨川水害のとき、人吉支店の副支店長だったそうで、あの水害を経験してから人生観が変わったと話していらした。これまで銀行といえば、開業資金の3割相当の自己資金も持っていなければ門前払いの対応だったものをこの拠点ではクラファンや地域ファンドを組合せながら、自己資金ゼロの事業者でもなんとか起業開業できるよう応援するのだと力説しておられた。地域金融機関の生き残りはリレーションシップバンキング=地域密着型金融だと言われて久しいが、僕も実際にいろいろ案件をみていて、地銀信金は本当に事業者の事業を見ているのか、須らく保証協会頼みになっていて、本来とるべきリスクをとっていないではないか、等々疑問が沸くことが多いけれども、こういうちゃんとした理念を持ったリアルな場を通して、金融機関のほうでも「バンカー」に名に相応しい人材が輩出されるようになればいいと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です