突然変異

去年に引き続き今年の日本シリーズもすごく見ごたえがあった。オリックスが26年ぶり日本一。オリックスは神戸の大震災の年(1995年)、そう、まだイチローがいた時代、仰木監督で涙のリーグ制覇、翌年の1996年もリーグ優勝し、日本シリーズでは巨人を破って日本一になっている。まさにその時期、95年~97年の3年間、僕ら家族は大阪にいた。神戸の球場にイチローを観に言った。懐かしい。あれから26年か。随分と時間がたったものだ。オリックスの日本一は阪急時代を含めると5度目と聞いて、なるほどそうかと思った。そう、オリックスは阪急の後継球団だった。すっかり忘れていた。名将上田監督で75年から日本シリーズ三連覇。強かったがとにかく人気がなかった。上田監督が阪急の電車に乗って一番前の車両から後ろの車両まで歩いたが誰からも声をかけられなかったという、ホンマかいなという伝説まで聞いたことがある。そして2004年のシーズン終了後に近鉄を吸収合併。オリックスは阪急と近鉄の両方のDNAを引き継ぐ、「ザ・大阪パ・リーグ」の末裔だったのだ。それにしても2020年まで本当に万年Bクラスの、常「敗」球団だったオリックスが、これはいったいどうしたことか。今年の日本シリーズは目を見張るほどに強かった。特に投手陣のレベルの高さは最近の言葉でいうところの「レべチ」だった。あれならいつでも誰にでも勝てる。万年Bクラスが突然かくも強くなるものか。中島監督ってそんなにすごいのか。こういう見事なまでの突然変異の事例を見ると、セ・リーグ4年連続Bクラスの我が広島カープにも来季への根拠のない期待を持ってしまう。

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