サイクルツーリズム

きょうの日経朝刊九州地域経済面のトップに「自転車活用 通勤に観光に 熊本県、通行帯350キロ整備 マップ作成、周遊促す」という記事が掲載されていた。23年度末までに県内45市町村すべてに自転車のネットワーク計画を固めてもらうそうだ。自転車通行に適した空間を延べ350キロメートル整備するという具体的目標値も定めたらしい。ソニーを退職して阿蘇に移住した7年半前、最初の仕事は阿蘇のDMO組成に関する調査と提言を阿蘇市長/市役所に行う仕事だった。そのとき僕が目をつけたのが自転車だった。尾道~今治のしまなみ海道のすばらしさは知っていたが、その前年か前々年、尾道にできた「U2」という遊休倉庫を改装した宿泊施設+集客施設をみてこれだと思った。阿蘇なら自転車の聖地になれるはず。事実、マンガ「弱虫ペダル」の舞台として描かれ既に知る人ぞ知るの聖地になっていたが、観光政策の中心には全然なってなかった。尾道と阿蘇を結んで「しまなみ・やまなみ」コースを整備して観光商品として販売したらどうか、道中、伴走サービスもつけて途中の宿泊場所も商品に組み込めばインバウンドに売れますよ。素人考えながら具体的な商品構想も企画書に落として提案した。人脈を使って阿蘇市長を尾道まで連れていって尾道市長に引き合わせたりもした。そんなことをやっている最中の2016年4月、熊本地震が起きた。その後しばらく阿蘇市は自転車どころではなくなり僕も南阿蘇村の復興の仕事に集中したので、自然とこの話は消滅した…かに思ったら、阿蘇市はその後「ちゃっかり」というべきか、「コギダス」という自転車観光振興の政策を始め、矢羽根の標識がついた自転車コースも少しづつ整備された。最近では夏になると結構な自転車愛好家を阿蘇地域で見かけるようになった。自転車など全く眼中になかった阿蘇の観光が変わってきた。時代の流れもあるが、7年前の僕のいろんな仕掛けも少しは貢献したかもしれない。クルマ社会の九州は総じて自転車人口が少ない気がする。そういう意味で今回の自転車活用振興は暮らしや仕事のスタイルも変える可能性をはらんでいる。

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