人口減少加速

先週金曜日の日経新聞朝刊には「出生急減 80万人割れへ 今年減少ペース5%に加速、人口1億人未満早まる恐れ」という見出しが躍っていた。1億人割れとか言われてももういまさら驚かないが、それでも日本/日本人が消滅に向かうスピードを自ら速めているという意味ではとても暗くなるニュースだ。政府の人口推計では今世紀末の日本の人口は6400万人。いまの人口規模からほぼ半減する。西暦2100年は僕の孫が82歳になる年だから遠いといえば遠いが確実な近未来。しかもこの推計(中位推計)の基礎である出生率は1.3くらい。しかし足元の出生率は記事によれば今年は1.27くらいで過去最低水準。人口減少が確かに爆速で加速している。やれ経済安全保障だ、敵基地反撃能力だと言っても国力の基礎の基礎はやっぱり人口だ。この戦後の80年近い日本の繁栄は若くて成長する人口規模が支えていた。しかしもう人口の下り坂は完全にセットされた確実な未来。しかも僕も含めたいまの日本人は人類が始まって以来最高水準の豊かな生活を享受している。経済規模が縮んでいく中でこれを維持するのはおそらく不可能だ。他方で80億人から100億人にさらに増加する世界人口。水や食糧やエネルギーを巡って今後国どうしの権益利害の衝突は増えるのだろう。悪の枢軸に囲まれるこの地政学的に絶対不利な位置にあって日本は本当に未来にわたって国としての独立が本当に守れるのかという心配が当然出てくる。唯一有効な策は出生率が反転して2くらいをずっと維持することだが、その可能性はほぼゼロ、絶望的だと思う。円が下がって当然な日本なのである。

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