ガソリン補助金

年の瀬。昨日は点検兼ねてディーラーでクルマを洗車してもらい、ガソリン満タンにしてきた。我が家は2台持ち。専ら妻が使うホンダ・フリードは今年1年間で1万4千キロ走行し850リッターのガソリンを給油した。ガソリン代は今年の合計で137千円、リッター当たりの単価はちょうど160円。うちは、エネオスカードで3円引き、同じガソリンスタンドを使うリピーター割引が2円引き、合計5円引きで毎回給油できているので、それがなかりせばガソリン代はリッター165円ということになる。今年はウクライナ情勢をきっかけに原油が高騰し、世界各国でガソリン価格が跳ね上がっているが、日本では政府の補助金のおかげで「この程度」で済んでいる。補助金制度をおさらいすると、ガソリンの全国平均価格が1リッター168円程度になるように石油元売りに補助金を出しているもので、補助金の上限は1リットル35円で、35円を超える分はその半額がカバーされている。今年うちのガソリン代が実質リッター165円でしたというのはまさに補助金の恩恵である。この補助金、月に3000億円を超えているらしい。年間に直せば4兆円に迫る規模。311の復興に投じられた国費が確か11兆円とか12兆円とかいう規模だから、このガソリン補助金がいかに巨額がということ。まさに巨大災害級の対応をしているわけだ。一国民としてありがたいとは思うものの、同じカネが少子化対策に投じられたらこの国の未来を少し変えられるではという気もする。今を生きる人たちだけでこんなに巨額な国費を瞬時に消費してしまっていいものなのだろうか。テレビで街頭でインタビューされて政府に辛口なことをいう人のほとんどは、何にどのくらい使われているか知らない。わかるわけがない。現代社会は複雑で難解だ。研究者や専門家でもない限り一般の人々は毎日のことに忙殺されて細かいことを調べる時間も余裕もない。あそこが痛い、ここが痛いという「民の声」に代議制の議員さんたちが手当てをしてくれる。政府は国民に奉仕するサービス業のようなものになってしまった。かくして予算は膨張を続ける。日本はとっくにポピュリズムな政治なのだ。

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