黄昏の予兆

首都圏に住むうちの息子2人はちょっと前まで楽天経済圏礼賛派だった。モバイルもショッピングもトラベルも銀行も投資もみんな楽天。楽天ポイント経済圏の「しもべ」のようだった。それが最近、にわかに楽天経済圏からの離脱を口にするようになった。調べてみたら昨年4月からポイントの対象が税込→税抜に変わったということだが、対象範囲が10%減るとそんなに大変なことなんだろうか。ポイント族ではないのでよくわからない。ま、オレには関係ないのでどうでもいいや、と思ってたら、先週楽天グループの12月期決算がニュースに取り上げられていた。過去最大の3800億円を超える赤字ということだが、キャッシュフローはもっとヤバい。モバイルの基地局投資がかさんで投資CFは9500億円の赤字、加えて儲かっていたはずの本業のCFもマイナスに転じ、都合1兆2000億円の資金需要を社債発行等で賄っている。有利子負債は1兆7600億円にまで膨らんでいる。結構な額だ。楽天グループのここに至るまでの発展と拡大は文字通り産業史に刻まれるものだと思うが、経済圏を支えてきた顧客のスイッチも万事ネットで完結するだけにいったん離脱や離反が起きだすと逃げ足は速いのだろう。結局カスタマーロイヤリティって利得/利益だけだったのかよ、となると空しい。徳俵で踏みとどまるのか、経済圏崩壊に突き進むのか。ここからの1年は見物だ。

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