最後の砦

新型クラウンシリーズの「スポーツ」とされる写真がネットで出回っている。なんだ、これは!か、カッコいい。これが本当にクラウンなのか。昨年登場した新型クラウン。これまでのクラウンの既成概念をぶっ壊すには十分なものだったが、今度のスポーツはもはやクラウンを超えた感じ。最近なんだかトヨタのデザインがとても変わってきた。斬新。イノベーティブ。尖っている。かつてのホンダを彷彿とさせ、さらにその上を行く。トヨタといえば、経営戦略の言葉でいう「ドミナント」ポジション。圧倒的なシェアと存在感のため敢えて冒険をする必要がない。二番手を潰せばよい。かつてマツダのハッチバックの赤い「ファミリア」が世の若者を席巻し国内販売でまさかのナンバーワンにおどりでたことがあった。これに対してトヨタは「カローラⅡ」という、ファミリアのデザインをまるパクリした新型車を出してきて、ファミリアはあえなく潰された。まだ20代だった僕は、ビジネスとはかくも無情なものかと慄然としたが、それはまさにドミナント戦略の教科書通りの実践だった。そんなドミナントポジションに慣れ切った「冒険しないトヨタ」がにわかにチャレンジャーモードに。EVではトヨタはもはや後発も後発、周回遅れのザ・チャレンジャーだ。そんなトヨタもようやくEVに本腰を入れるらしい。昨日の日経1面は「トヨタ、26年までにEV年150万台販売 10車種追加」の記事。2026年って、あとたった4年じゃん。去年2万台しか売っていないのに、いきなり150万台なんて… ま、しかし、そういうイケずなことはいわずに、ここは若いイケメンエンジニアの新社長に期待しよう。なんてたってトヨタは日本の最後の砦だから。

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