ディストピア

昨日国立社会保障・人口問題研究所が発表した日本の将来人口推計が大きなニュースになっている。2056年に日本の総人口は1億人を下回り、2059年には出生数が50万人を割る。2070年には総人口は8700万人で現在の7割の水準、65歳以上の高齢化比率は4割超。まさにディストピア。合計特殊出生率が2030年には1.3を超えて1.35に向けて漸増していく想定なので、実際の人口減はもっと激しいものになると思う。人口は戦争のように起きるか起きないかという不確実なものではなく、必ずやってくる未来という意味で確実だ。人口比でいえば現在は現役(15~64歳)2人で高齢者(65歳以上)1人を支える構図が2070年にはほぼ1:1になる。たぶんこんな社会は耐えられないだろう。社会はきっと現役と高齢者に分断すると思う。政治は長く右と左、保守と革新、リベラルとコンサーバティブなど伝統的な対立軸を基に動いてきたが、日本では現役と高齢者という構図になるのではないか。現在の給付の仕組みの年金制度は誰がどう考えても維持することは不可能だ。今年の統一地方選挙でも若い人や女性が予想をひっくり返して当選したのも、「維新」が躍進したのも、現役世代の異議申し立てが政治の世界でようやく顕在化してきたことの現れな気がする。自民党は高齢者に軸足を置いた全方位政治。だからバラマキになる。このやり方は絶対に長続きしない。衰退途上の道は険しい。

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