TSMCエフェクト

今朝の熊日一面はこれ。カタまでぶち抜きの見出し。広島の中国新聞ならカープが優勝したときくらいの扱いだ。ついにTSMC自身が第2工場の立地も熊本だと言及した。以前からそういう観測だったがついに当事者が認めた形。たぶん日本国政府からの大型補助金がまとまったんだろう。これで熊本東部、菊陽町周辺の変貌はさらにすごいことになる。フツーに考えて、ここまで一夜にして大型の産業集積ができるという例はかつてないのではないか。半導体は知識産業の典型。所謂高度人材が一気にこの地域に住まい働くことになる。給与は高い。消費もする。余暇も楽しむ。彼らの生活を支えるインフラ整備は待ったなし。かつて砂漠の上の町だったドバイがたった10年、20年で一気に未来型大都市になった如く(そこまではいかないか)畑と田んぼの田園風景はきっと急激に一変する。好むと好まらざるとを問わず。後継者がいなくての農業を諦めかけていた農家もこれで踏ん切りがつく。きっとあのあたりの田園風景はなくなる。好むと好まらざるとを問わず。思えば、こんな急激な変化が起きたのも一に台湾有事が現実的に迫っているから。習近平がトップになって10年。米中対立が先鋭化して4,5年。世界は一気にブロック経済化してしまった。半導体の集積地である台湾を西側は絶対に失うわけにはいかない一方、まさかに備えてTSMCは海外移転を進めている。距離的に近い、電源が安定して安い、水が豊富、広大な土地がふんだんにある。日本国が三顧の礼で補助金までつけて迎えてくれる。TSMCにしてみればこんな理想的な立地はない。普通ここまでの大型設備投資なら立地を巡って政治家まで巻き込んですったもんだで立地決定に数年かかるのが通例な気がするが、台湾有事勃発まで時間がないという事情がここまで電光石火の決定になった。まさにバタフライエフェクト。迎える熊本にしてみれば、冗談ではなく西南戦争以来の大きな出来事だ。このバタフライエフェクトはこれからどんどんいろんな人の人生も巻き込みながら大きなインパクトを見せていくのだろう。すごいことになった。

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