時価総額第2位
ソニーの時価総額はいま日本の上場企業の中で第2位らしい。昨日現在のランキングは1位がトヨタ自動車で38兆円。次いでソニーGの16.6兆円。3位は僅差でキーエンス(16.3兆円)。NTTが15兆円の第4位。そして5位でようやく銀行。三菱UFJの13.6兆円。バブルの頃は銀行ばかりが上位だったが、こうしていまは御三家がいずれもモノづくりの会社。歴史的な円安の為替効果もあるのだろうが、久々こうしたランキングを眺めると隔世の感だ。昨夜たまたまソニーの同窓会的なオンラインの集まりがあって、昨日の登壇者はその昔本社時代いろいろ仕事でお世話になった当時のコーポレート技術戦略部の部長さんだった。歳はひとつ上。まだ当時転職してから数年しか経っていない時期に本社勤務になって右往左往している中でいろいろ技術に関することを教えていただき大変影響を受けた方のおひとり。同じ時代、同じ風景をみてきた立場で昨日は懐かしさと同時にいろんな思いが沸き上がった。僕の本社勤務は2000年から。ハンディカムで一世を風靡したソニーは当時スーパープロダクトカンパニーだった。ときはあたかもITバブル。出井さんのビジョンスタイルが受けて株価は空前の高さまで到達したが、ITバブルの崩壊とともに急落。当時時代は家電の百花繚乱期。とにかくいろんな製品が次々登場して家電量販店に行くのは楽しかった。しかしそんなプロダクト全盛の時代の中でソニーの変調が敏感に株価にも表れ、その数年後、ソニーショックと呼ばれる大暴落に見舞われる。その後は本当に悶絶の時代だった。僕がソニーを辞める数年前には確か時価は1兆円を切った。どこかに買収されるのではないかという深刻な危機感があった。プロダクトで覇権を握り続けようとするDNA。デジタル化する時代は誰でも簡単に「そこそこ」のモノが造れるようになった。そして携帯電話、スマホ。「電話」が有象無象の家電製品を駆逐してしまった。アップルの時価3兆ドルはその到達点だ。なのにソニーはいまこうして堂々と日本第2位の時価総額で君臨している。あの悶絶の先にこういう栄華な時代が来ようとは。もはや外部の人間になった僕にはその理由は知りうべくもないが、プロダクトで覇権を握ろうとする会社でなくなったのは事実。テレビもオーディオもカメラもいまやテレビや新聞でコマーシャルすらしていない。商売のネタ、売るものが変わったのだ。これ語ってるとキリがない。この続きはまた後日。