経営指針を創る会

先週今週と金曜日は中小企業家同友会がもう何十年にもわたってやっている夏の恒例「経営指針を創る会」に運営側の端くれで参加している。もちろん自社の経営指針も改めてここで考える。経営理念にはじまり10年ビジョンをたてSWOTや財務分析で現状を認識に、10年ビジョンの実現に向けどう変革していくかを数字に落とす。もう非常によくできた事業計画策定のプロセスだ。これに参加したくて同友会に入ったという人もいれば、去年作った経営指針(事業計画)は社員に全く浸透しないので作り直しだ、という人まで動機や背景は様々。講義は事業者さんがやる。外部から専門家を招聘するのではない。メンバーどうしの手作りだ。毎回6時間もの時間をそういう「講義」と「グループワーク」で進める。互いの事業、業容、現況を開示しあいコメントしあう。なかなかありそうでない時間。これが都合7回、あと5回ある。昨年は途中コロナに感染してしまい完遂できなかったが、今年はいろんな動機もあって最後までやってみようと思う。経営理念もSWOTも財務分析も、いちおうこういう仕事をしているので、セオリーも実践も熟知しているつもりだが、10年ビジョンというのはなかなか奥深い。いま事業としてやっていることに肯定的な人ほど実は10年ビジョンは描きにくいのではないか。変革って口でいうほど簡単ではない。きょうと同じ明日が来るのが人間一番ストレスがなくてたぶん幸せだ。そこを敢えてきょうとは違う自分、きょうとは違う事業の明日の像を描きましょうというのが、この10年ビジョン。もやもやして苦しくなるのは当然。かくいう僕がそう。10年後っつたらもう後期高齢者目前じゃねぇか。もう高邁で不連続な未来など描く元気がない。なんってたっていまちゃんとできることやってるし。等々。やりたくない言い訳はいくらでもできる。そこに昨日気がついた。結局10年ビジョンって、未来を言い当てる水晶玉をなでる話ではなくて、その事業者の器を広げる手口なんだと思う。何十年も続いている会だけあって奥深い。

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