磁力あるコンテンツ

今年のGW前半、実家の売却手続き関連で久々に広島に数日滞在した。広島駅はまるで東京かと思うほど終日人で溢れていた。理由はいくつか考えられる。ひとつには、長らく工事中だったJR広島駅の全面改装が3月末に完成、商業施設が新たに開業したのでその集客効果。しかし圧倒的な要因はインバウンド観光客だ。駅周辺を歩く人々の半分以上が外国人、という印象だった。

広島県はここ数年、人口の転出超過が全国最多で、特に若年層の流出が深刻と報じられている。広島県出身者としては少し心配になるニュースだが、実際に目にしたのはむっちゃ活気ある街の姿。「なんだ、これなら生き残れるじゃん」というのが正直な感想だった。

昨年、記録的と言われた訪日外国人観光客数。今年はさらにその勢いが増していて年間4000万人超えは確実。政府は2030年までに6000万人の外国人観光客を目指しているが、現状を見れば前倒しで実現する可能性が高い。考えてみれば、アメリカは足下の大混乱で既に観光需要が減少傾向、戦争継続中のウクライナや中東が近い欧州方面はテロ不安もある。「安全な旅行先」としての日本の価値はますます高まっている。

日本の観光産業は今やいまや堂々日本の基幹産業になった。製造業はAIやロボティクスによる自動化が進む一方で、観光業は「人」が主役の産業だ。人々の交流や感動が生み出す価値にはAIでは代替できない側面がある。

そのインバウンドを惹きつける「磁力」を持つ地域とそうでない地域の格差は広がり続けるだろう。その鍵は結局「文化」にあると思う。単なるハコモノではなく、その土地の歴史や人々の思いが形作る「物語」。例えば、広島が観光地としての魅力を保ち続けているのは、単に「原爆ドーム」という物理的な遺産があるからだけではない。そこには「平和」という普遍的なテーマが息づいており、それを物語る平和記念資料館があり、その地域の想いを伝える若い「語り部」が存在する。このような形でいまを生きる人が過去を語り継ぐ力があり、それが観光地・広島の魅力を支えている。

同じ視点で地方都市や町を見直してみると、新たな価値が見えてくるかもしれない。私たち自身の中に埋もれている、人々が紡いできた歴史や文化を再発掘することこそ、ハコモノよりも大切なことだと思う。

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