「平和の時代」の終わり⑩

先日広島に帰ったとき85歳の母といろんな話をする中で、今度の戦争の話になった。母いわく、もしロシアが北海道に攻め入ったときにはNATOは日本を助けてくれるのか、と聞くので「そんなわけないじゃん」と。そもそもNATOは欧州の集団的自衛の仕組み。アジアの日本はNATOに加盟していないし、そもそも集団的自衛権すらも憲法上どうのこうのという議論をしているくらいだから、仮に加盟できても憲法上できないだろうと、マジメに答えてしまった。その代わりとして「日本には日米同盟があるんです」というのがこれまで正しいとされてきた答えのはずだが、ウクライナでの出来事を見ていると本当にそうなのかという気がしてきた。ウクライナは誰も一緒に前線で戦ってくれる国がなく、後ろでNATOから武器弾薬の補給を受けつつも残忍で嘘つきのロシア軍に独りで立ち向かう他ない。本当に不条理なまでにボコボコになりながらもロシアの属国に再び成り下がらないために命がけで戦っている。日本も沖縄の離島や北海道に侵略されたとき、ウクライナ軍みたいに戦う/戦えるのだろうか。日米同盟があるから米軍が身体をはって日本を守って戦ってくれる(少なし一緒に戦ってくれる)というように日本人は教えられてきたし、そう信じていると思うけど、今回目撃したのはアメリカは第三次世界大戦や核戦争にエスカレートするような紛争には距離を置くという事実。もちろんアメリカとウクライナは何らの義務的同盟関係はないので、日本とウクライナを同一視はできないけども、万が一にもトランプなんかがまた大統領やっていたらと思うとぞっとする。他国を突然軍事的に侵略するというメガトン級の有事はこれまではありえない絵空事だったが、悪の枢軸国である中国・北朝鮮・ロシアと隣り合う日本は、これからはこうしたことももっと真剣に現実的な想定として僕らは知る/考える必要があるし、これまでの常識を疑ってかからないといけないなぁと齢60歳にして思うのである。そういう意味で母の、ある意味無知な質問もまんざら悪い質問ではなかった。

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