一任政治のツケ

国会が閉幕して世は選挙モード… らしい。3年に一度の参院選は来週告示、3週間後の日曜日に投開票。最近はテレビもまともに見れないくらい忙しいのでニュース番組の党首討論もちゃんと見れていない。が、まぁ見る必要もないか。野党はもう何年、いや何十年も同じメンツが同じことを言っている。ウクライナ危機、安全保障危機、エネルギー危機、食糧危機と危機のオンパレードになってしまったこんにち、政治の真骨頂である選挙でこの途方もないデジャブ感を目の当たりにすると、やっぱり日本は特殊なんだなぁという気がしてきた。これだけの政治的テーマがあれば普通、国民はひとりひとりがよく考えて選択しなければいけないし、その選択肢が与えるべきだ。しかし日本では長く「自民党に一任」というシステムでやってきたから国民は事実上選択の必要がない。いい悪いは別にしてそれが現実だ。いろんな厳しい政治的選択は世論調査という風をみながら政府自民党が内部化して決める。実際、最近一番面白かった選挙は自民党総裁選だったりする。河野対麻生・安倍、安倍対岸田、岸田対高市。前回の総裁選は国の根幹の考え方の違いが候補者間で鮮明で、実際テレビ討論も面白かった。しかし残念ながらというか、そうした対立軸が選挙という形で国民の選択に委ねられることはない。国防費をどうするのか、原発を再稼働するのか、財政政策はどうか、等々問題山積なのに、幸か不幸かこの自民党一任システム下では国民は決める必要もないし考える必要もない。そりゃ無党派も政治無関心も増えるでしょ。論理的帰結だ。選挙は自民党に一任したくない人のいわばガス抜き装置に堕している。他方、実際に国民が選択すれば皆意見も考えも違うのである種の分断と闘争は起きる。アメリカの二大政党はその典型だ。あらゆる問題で2分化し正面衝突している。結果4年ごとに国策、重要政策が大きく右に左に振れる。国としての信頼性も揺らいできた感がある。日本はある意味それと真逆。分断も起きないが変化も起きない。自民党という、よくわからない政治システムがすべてが包含してしまっている。平時はそれでよかったが、こういう危機になれば「国民の鍛えてこなかったツケ」を皆で払うとことになると思う。嗚呼、どこまでいっても日本的。

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