節電要請
きのうとある食肉工場を見学する機会があった。材料となるお肉の受け入れと保管はもちろん冷凍室。マイナス25度に設定された極寒の部屋に大事な食材は保管されていた。これをみてすぐにこの夏の電力危機のことを思った。万一停電するようなことがあればこれらの食材は全部パァだ。食材がなくなれば工場も止まる。中小・小規模事業者にとっては死活問題だ。原発停止に端を発している現下の電力危機。しかしピークには事実上40℃近くにまでになる日本の夏に「節電」は無理だ。便利になった現代は家電が外気温に連動して勝手に仕事する。外気温が上がれば消費電力は増える。節電というのはエアコン止めろという意味でしかない。「無理のない範囲で節電」なんて「右向け左」の号令みたいなもので意味がない。マジメなお年寄りはひょっとしてエアコン止めるかもしれない。そうなると熱中症で重篤なことになる高齢者もきっと増える。何より生産現場を抱える会社にとって「すみません、停電するかもしれません」自体がありえないリスクだし脅威だと思う。世論の多くもマスメディアも原発再稼働反対の立場なのでなんとなくみな突っ込む先がなくてもやもやしているが、前の菅政権なら原発を一時的にでも動かしてたような気がする。100歩譲って、この夏だけの1回ぽっきりの話なら協力しようか、となるかもしれないが、この冬は夏よりヤバイとか、この先真夏と真冬はずっとこうです、となれば、やっぱりええ加減にせえよということだ。