「大切なことは失敗から立ち上がること」
安倍さんが銃撃に倒れて亡くなって1週間が経つ。日本がこの10年国際政治の舞台でかつてないほどにその役割を増したのは間違いなくこの人がいたからで、そのことに僕も含めて等しく国民は感謝すべきだと、亡くなってからつくづく思う。政治家が亡くなって喪失感を味わうというのは実は初めての経験かもしれない。安倍さんに直接会ったこともなければ話もしたこともないが、日本の国の安全と平和ということを誰よりも深刻に思い誰よりも行動したのは間違いなくこの人だ。この人がいなければ誰も集団的自衛権の問題まで踏み込むことはできなかった。2006年第一次政権当時日本はいまよりはるかに平和だったのかもしれない。民主党政権時代に尖閣の問題が顕在化し、漁船が海保の船に突っ込んでくる事件があったあたりからアメリカ任せの安全保障では危ないと国民が気づき始めた。時代が安倍さんを結果的に求めたのかもしれないが、それでも昔も今も日本にはお花畑系話が通じない人たちが死ぬほどいる。あるラジオ番組で側近官僚だったとある人が安倍さんのことを「真っ暗な道を一人で松明を掲げて歩くよう」な人だったと評して何かとても深い感銘を受けた。リーダーシップとはそういうものなのだろう。敵が何人いようとも信じた道をひたすら邁進する姿は真のリーダーの名に相応しい。ネットで今年3月の近畿大学の卒業式のスピーチがYouTubeに上がっていたので観た。第一次政権の失敗のことを率直に語っていたが、そこから立ち上がる勇気と覚悟を得たのは311の復興支援のときであることはこにスピーチで知った。本当にいいスピーチで感動した。本当に惜しい人を亡くした。誰よりもご本人が一番悔しいだろう。改めてご冥福をお祈りいたします。