リスケと改革

ここのところ、コロナ禍で過重になった債務の返済に係る条件変更に関連した経営改善計画策定のお仕事が多い。コロナ融資は売上消失で倒産危機にあった事業者さんにとっては慈雨であり命綱だった。しかし、融資は融資。いずれ返さねばならない。その返済がコロナ禍勃発から2年経過して本格化してきた。コロナ禍で膨大な赤字資金の補填に長期の融資が次々実行されるのは未曾有のこと。国が保証するので、返済能力関係なしにとにかく融資が実行された。それはよい。問題は返済期限。膨大に積みあがった借金を5年、10年で返す計画になっている。もともと長期資金の融資は設備投資に関わるもので設備の耐用年数に準じて設定されるので、平時の設備投資ならそれでいいが、経営の失敗とは言い難い、誰のせいでもない累積の赤字資金を5年、10年で返せというのはよっぽどの高収益事業でもない限り難しい。なので、計画をつくるときには基本に戻って、その会社、その事業のキャッシュフローをはじく。経費を固定費、変動費に分解して収益構造を少しでもキャッシュフローを生みだせる体質にどう変革するのかを論じる。そうした努力の結果のキャッシュフロー。その範囲で返済させてください、15年かかりますが、どうかよろしくお願いします、という論になる。返済条件の変更、所謂「リスケ」は平時では事業者がやってはいけないことと信じられ、実際そう扱われる。万一その結果債務者区分の変更にでもなれば事業者の信用は傷つき資金の新規調達は難しくなる。しかしいまは平時ではない。有事だ。無理な返済を強要して融資が焦げ付き倒産廃業に追い込まれるよりも、事実上の借り換えの形でコツコツ返していくことが事業者、金融機関、地域雇用にとっては「三方よし」だ。そんな正論を金融機関が果たして受け入れるかどうか議論するまでは若干不安だったが、実際やってみれば、どのケースも受け入れられた。ポイントは、キャッシュフローを生むための愚直な収益構造改革。そこに僕ら診断士の役割もあるのだと最近つくづく思うのである。

リスケと改革” に対して1件のコメントがあります。

  1. 森本 剛正 より:

    同感です。地銀、信金も低金利が続き、厳しい立場(特に地銀はここ数年、再編が続いていますので…。)にあることを理解しつつ、良い落としどころを見つけたいです。
    例えば、据置期間が延びたとしても、返済は厳しくなるだけですので、せめて返済期間もスライドしてもらえるような措置(金利は支払います。)など、状況を見つつ、政府には適切な判断を仰ぎたいものです。長年、社会貢献をまともにする気がないようなゾンビ企業も多数存在する現実を考えると、判別も難しいのでしょうが、災害や感染の影響をまともに受けながらも、努力している企業様とは三位一体で何とかこの苦境を乗り切りたいと思います。

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