偏差値時代の終焉

昨日はアルコールに対する価値観が僕らの時代と180度変わった話を書いたが、最近、もうひとつ「へぇー!?」な話があった。受験だ。この春の大学入試では、私立大学への入学者の約58%、即ち、過半数が推薦入試による入学者で、つまり、いわゆる一般入試による入学者は半数を切ってしまったらしい。この変化は国公立大学にも波及していて、推薦入試の入学割合が30%を超えている大学も出始めているそうだ。これにはいろんな要素が絡み合っているようで、8月30日付けの日経新聞で駿台予備校の人がインタビューに答えてこんなことを言っていた。①推薦出願は1人1校が原則、学校からすれば出願者が減る中、学生の囲い込みに推薦入試は有効 ②いまの受験生の親世代では既に推薦入試が広がっていたので親の側に推薦に対する違和感がない ③昔の「いい大学、いい会社、幸せな人生」という方程式を社会が信じなくなってきた。無理して難関校に行っても、人生そんなに変わらないとみんなが思いだした、等々。もちろん一般入試はまだあるわけだが、こちらはどんどん難化しているらしい。つまり、むっちゃ受験勉強する子と、最初から推薦狙いで頑張る子と、二極化というか、分化していく感じ。世の中こんなに変わっちゃうんだという感は強い。僕らは共通一次、偏差値世代の申し子だ。勉強できてもできなくても大学に行きたきゃ共通一次の勉強をしなきゃいけなかった。受験勉強で詰め込んだ知識が人生の何の役にたったのか証明することは難しいが、それでも記憶力旺盛な若い時代に表層的であったとしても一通りのことを詰め込むのは教養というと薄っぺらいが何か必要なOSの一部であるようには感じている。受験信奉派では全然ないが、僕などは受験で人生をステップアップしてきたのも事実で、この変化をどう受け止めていいのかなかなか難しい。

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