スーパー台風襲来④
台風一過。昨日はいい天気だった。空気は一気に晩秋の冷たい空気に変わった。それにしても、どう考えても体感的には未曾有の猛烈台風だったのに、熊本県内の死者はゼロ。当初、激甚災害が各地で起きるのは必至と思われていたのに、終わってみれば被害は最小限で済んだ。要因はいくつか考えられる。台風の速度が遅かったのでほとんどの人が鹿児島で何が起きているのかを実際映像で確認しながら的確に避難行動を行えた、という可能性。もうひとつはあまりの暴風雨、しかも夜、だったので外の様子を見に行く人はおそらく皆無だったこと。実際とても外に出られる状況ではなかった。昨日の熊日新聞はさらに解説記事を掲載している。ひとつは進路。当初の予想進路は有明海を北上するというものだったが、実際には鹿児島・薩摩半島に上陸し内陸を北上した。そのために海からの水蒸気補給が絶たれ勢力が急に落ちたらしい。もうひとつは九州山地の存在。反時計回りに日向灘方面から大量の水蒸気が九州に吹き込んだが、その多くが九州山地の宮崎側斜面で雨に変わり湿度が減った空気が熊本に入り込んだ上に宮崎の高い山々が障害物となって熊本に吹き込む風の勢いが弱まったというもの。弱まったといってもありゃすごかったと思うけど、実際、熊本空港で観測された38m/sが熊本県下の今回の最大瞬間風速だったという事実を考えるとそういうものだったかもしれない。じゃ、50、60m/sの瞬間最大風速ってのはやはり人知を超えた凄まじさなのだ、きっと。そんなのが吹いたら間違いなくうちのログハウスは倒壊する。対策を打たねば。それにしても、災害のたびに、こうした予想できない「被害を最小化する要素」が起きる。神戸の地震のときも熊本の地震のときも、もし発生時刻が日中だったら、被害は桁違いだったはず。311後の原発事故もいまだに解明されていない理由で炉心爆発は避けられた。最悪事態だけは未然に回避してくれる幸運の女神がいつもどこかにいてくれる気がする。