2年半ぶり
気仙沼にやってきた。実に2年半ぶり。橋ができクルマの流れが変わり街はずいぶんと活気あふれる印象だった。僕がこの街に初めて来たのは2016年の12月。雪がちらつく寒い日だった。当時、津波被害を受けた市町のいくつかは大規模な嵩上げ工事をやっていたが、気仙沼はそれを選ばずいち早く区画整理が進んでいた。海沿いほとんど全てと言っていいくらいの場所で工事が行われていて、クルマのナビは役に立たなかった。どんな街になるのか想像がつかなかった。その後ご縁を得て2018年、2019年は何度となくこの街に足を運んだ。来る度新しい道路、新しい建物ができ、新しい復興後の町の姿が見えてきた。今回、ようやくその「完成形」を目にした感じ。何といっても気仙沼湾横断橋がいい。美しい。折しもこの街の基幹産業である水産業は水揚げ量の激減や都市部の鮮魚需要の減少で大変な苦境にあると聞く。水産業から観光へ、というのは言うほど簡単ではないと思うものの、東北の大都市仙台とわずか1時間半ちょいで結ぶ、しかも無料、の三陸道の開通は決定的に人の流れを変える。この街にとって願ってもない武器であり資産だ。何か明るい未来が見える、そんな印象の再訪だ。