印象操作
1週間前に始まった「全国旅行支援」はあっという前に予算上限に達して各地で予約受付終了となっているらしい。インバウンド解禁と相まって観光地はにわかに活気づいているらしい。いいことだ。そんな中、NHKや朝日新聞が「便乗値上げ」のことを取り上げている。確かに週末のホテルは旅行支援分を遥かに超えてこれまでの2倍、3倍の値段になっている。かくいう僕も11月のとある週末に仕事で福岡に行く用事があってホテルをとろうとしたら高くて手が出なかった。確かに高騰している。しかし僕はそれを「便乗値上げ」という言葉では理解しない。限られた供給に多くの需要が殺到すれば当然値段はあがる。純粋な経済現象、いや物理現象のようなものだ。それをさも事業者が悪意を持って消費者を騙すかのような含意の「便乗値上げ」という言葉を使うか。これこそ印象操作。日本のマスメディアのレベルが低いと言われる所以だ。さらに信じられないのは、観光庁の反応。NHKの報道では、観光庁の担当者の弁として、「料金設定の方法や考え方は事業者によって異なるため、どこからが不当な値上げなのかを一律に定めることはできない。ただ、助成分をあらかじめ上乗せするなど、割引きを前提にした不当な値上げがされないよう都道府県を通じて事業者に周知していく」だそうだ。…ったく。「不当な」値上げって誰が決めんのよ。とんでもない値段でも円安で泊まりたい外国人がいればそれが正当な値段でしょうよ。「少数のものが騒ぐ→マスメディアが大きく取り上げる→役所が指導する」本当に日本はワンパターン。そもそもこれって観光関連事業者救済が政策趣旨でしょう。2年半もボコボコになって大借金抱え、その返済のために足元の粗利改善が急務の事業者がこの機に値段を上げて何が悪い。バカも休み休み言え、観光庁とNHKと朝日新聞!。