ステーツマンシップ

昨日の野田元首相の追悼演説が喝采を浴びている。改めて新聞で全文を読み返して本当に名演説だと思う。久々「ステーツマンシップ」という言葉を思いだした。立憲民主党の人々はこの演説をどう聞いたのであろうか。野田さんが首相になったのは311で日本が騒然となっていた2011年の8月だった。有名な「どじょう演説」- 「どじょうに金魚のマネはできない。どじょうですが、泥臭く国民のために汗をかいて政治を前進させる」で、民主党党首選挙を逆転勝利した。よく覚えている。震災からの復興、超円高、高失業率、尖閣問題と次々弩級の問題が起きる中、愚直に財政再建・行政改革のテーマを掲げ、消費増税に突っ込み、火だるまになった。国会は衆参でねじれていた。民主党は一枚岩ではとてもなかった。小沢という変人が常に与党の立場で政権の邪魔をした。文字通り孤軍奮闘の首相だった。民主党では政権運営は無理だなという気分は蔓延していた。でも自民党に戻したらダメじゃんという気分もあった。当時僕はなぜか野田さんが好きでFacabookでは何度も頑張れのエールを投稿している。本当に頑張れという気持ちだった。あれから10年。財政はさらに悲惨なことになり、30兆円ともいわれる需給ギャップを埋めるために財政がもっとカネを出せという議論になっている。何が正常で何か真ん中なのかもはやわからない時代になった。安全保障環境も激変した。311のときとは違う国難下にあって、とても頼りない人がトップに就いている。日本だけではない。どの国も政治家には苦労している。困ったことだ。

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