新八犬伝

辻村ジュサブローさんが亡くなったとYahooニュースに流れた。NHKの人形劇「新八犬伝」の人形制作を担当した人として有名。「新八犬伝」は個人的にはなぜか一番思い出が深いテレビ番組。月~金の毎日夕方6時半から放送されたわずか15分の尺の人形劇だったが、これになぜかものすごくハマった。この時間帯はもともと、伝説の「ひょっこりひょうたん島」や「ネコジャラ市の11人」とか子ども向けの人形劇が長く続いたが、この新八犬伝は全く違った。浄瑠璃、歌舞伎、講談… なんか日本の古典的な文化芸能を人形劇という器にごった煮のように盛った感じだった。まだ僕は小学5年生だったが、一発でこの新奇な人形劇の虜になって毎日テレビの前で観るのが楽しみだった。何よりよかったのは坂本九ちゃんの講談師のような名調子。「因果は巡る糸車」はもう脳に完全刻印されていまでも口をついて出る。この時期の子どもの脳ってそれだけ好奇心と記憶力が豊かってことか。Wikiで調べたら番組は2年も続いていたがマスターテープはほとんど残ってないそうで再放送は不可能。それでも鮮明に大まかなストーリー、登場人物、声優さんの声、台詞の調子はいまも鮮明に覚えている。いろんな天賦の配合の結果の本当に優れた人形劇エンターテインメントだった。久々に聞いた辻村ジュサブローというお名前。一気に50年前の世界にワープして思い出に浸ることができた。ご冥福をお祈りします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です