松山さん

アサヒビールの新しい社長に専務の松山一雄さんが昇格される人事が一昨日発表された。松山さん。お懐かしい。30年前、イリノイ州ノースウェスタン大学Kellogg経営大学院留学中のとき松山さんはひとつ下の学年だった。たまたま同じマンションに住み、お互い子どもが小さかったこともあって家族で行き来があった。写真みて30年経っても全然変わらないなぁと思った。Kelloggを卒業後はP&Gに入社され神戸にお住まいだった。関電時代に神戸でたしか一度お会いした。P&Gが1.17の地震のとき会社がヘリをチャーターしてポートアイランドで孤立していた社員家族を救出したという話をしてくれた。物腰柔らかく腰も低く本当に好印象しか与えない感じの松山さん。その松山さんがアサヒの社長か。本当におめでとうございます。Kellogg卒業生の新たな誇りでもある。アサヒビールはいまでこそビール業界最大手だが、僕が社会人になった約40年前はほんとに泡沫プレーヤーだった。まだ生ビールの時代ではない。キリンのラガービールが定番。キリンは確かシェア60%を超えていて独禁法違反ではないかと言われるくらいすごかった。2位がかなり離れてサッポロ。サントリーがまたかなり離れた3位で、アサヒは最下位。住友グループだったマツダの社員は同じ住友系のアサヒビールをなぜか必ず飲まねばならないという不文律があっていつもみんな泣く泣くアサヒビールを注文していた。それが一変したのは1986年。アサヒスーパードライの登場。駅を降りて家路につく途中の自販機で毎晩買っていた思い出がある。スーパードライ旋風であれよあれとという間にサントリーとサッポロをゴボウ抜き、一躍ビール界トップに躍り出た。これだけの大逆転劇は産業界では特筆される出来事だった。そんなアサヒの社長に松山さんがなった。外部出身の社長はスーパードライを世に出して「中興の祖」と呼ばれる樋口広太郎氏以来37年ぶりらしい。以前から進んでいたビール離れはコロナ禍で一段と深刻化していて社長業は本当に大変だろうと想像するが、松山さんなら大丈夫。期待してます。

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