「のび太くん」化する世界
連日話題沸騰のChat GPT。昨日SNS経由で、このチャット機能を実装したマイクロソフトのBingのことがブログにあがっていた。すごい。もうこれは検索ロボットというより人格をもった「何か」だ。なんでGoogleが真っ青になっているかよくわかった気がした。これまでの検索は例えてみれば「地引網」。鯛もいるがゴミもいっしょに引き揚げる。網から獲物を下がすのは人間。もっと言えば網そのものが検索者の意図だ。何を調べたいか、何を知りたいか、そこには意思と意図がある。しかしこのBingをみると、地引網からお魚だけ取りだして調理してパックしてくれている、くらいの差がある。いろんな文脈や含意を全部知っているかのようだ。知性だ。なので完全に会話が成り立ってしまう。すごい。すごすぎる。思えば、電卓ができて算盤が絶滅し暗算は不要になった。PCができて手書きは絶滅しみんな字が書けなくなった、手書き文字が汚くなった。新しい発明は人間からひとつひとつ能力を奪っていく。Googleができてから百科事典はいらなくなった。調べものという言葉も死語になった。だっていまここでググればいいから。そして時代は進み、Chat GPT。次に人間は何を奪われるのか、と言ったら言い過ぎか。「ねぇ、なんとかしてよ、ドラえもん、僕、どうしたらいい?」とのび太君はいつもドラえもんに無理難題を吹っかけていたが、実は世界中の人がこれから「のび太」化していくのかもしれない。あな、恐ろしや。