ヒトにまつわる悩み

中小企業のみなさんと毎日のように接していると景況感が新聞をみているよりもリアルに感じる。コロナ収束後のこの春以降の売上の復活の勢いはすごい。全部の業種をみているわけではないが、観光人流が急回復した旅館飲食はもちろん食に関わる製造業、そしてTSMCの進出で一気に加速・加熱しはじめた建設業。コロナ禍の沈滞はなんだったんだというくらい一気に売上が戻ってきている。それとともに深刻になっているのが人材確保の問題。一般論として人口減少で人材確保が難しいということはあるものの、ある人の話では最近の熊本県下、いくら募集して全く人が来ない会社と、募集かければ採用に困らない会社と、不思議なほど二極化しているらしい。そういえば昨日NHKでtiktokで採用を呼びかけたらわんさか募集がきたという話を取り上げていた。人材募集のメディアや方法論が変わってきているということか。加えて、人材育成というところでも経営者さんの悩みは深いようだ。これもあまりに一般化すると不穏当なことにはなりがちだが、よく言われるのが、Z世代と言われる若い人。いろんな価値観が昭和の人からみると別の惑星の人たちなので、コミュニケーションの取り方がわからないという。そして「中堅」といわれる40代。経営者と若手の橋渡し役のはずだが、とても冷めているという。ま、一般化はできないのだけれど。僕らの頃は「会社」という世界が自分の毎日、もっというと人生の大半を占めていた。ワークライフバランスとか最近でこそいうが、仕事の予定、日程、都合、プレッシャーが全てで家庭の都合はそれに従属する/させていい価値観だった。いまは全く違う。仕事と同等、なんなら仕事より家庭が優先する。自分の息子をみていればなんとなくわかる。別に仕事や会社に血道を上げなくてもいい。プライオリティはとっくに下がっているのかもしれない。「人が財産、人が宝」というテーゼは会社的には昔から全く変わらないのだが、肝心の「人」はこの10年、20年でその価値観や行動様式は随分変わってしまったのだ。どうやって次の時代を担う基幹人材を育成するのか。どうやって士気の高い組織をつくるのか、字面は同じテーマだけどその難易度は遥かにあがっている気がする。

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