廃墟にそそられる

昨日は久々仕事オフ日にして由布町まで地鶏を食べに出かけた。ついでに玖珠町の豊後森機関庫に立ち寄った。ここは映画「すずめの戸締り」で最初に出てきた「扉」の背景に描かれていた廃墟の建物のモチーフになったのではないかと言われている場所。確かによく似ている。完成したのは1934年(昭和9年)。来年で90年だ。最盛時には蒸気機関車21台が所属する大規模な扇形機関庫だったそうだが、無煙化・ディーゼル化が進み、1971年に廃止されたらしい。もう50年前以上のこと。2009年に機関庫及び転車台が「旧豊後森機関区の関連遺産」として近代化産業遺産に認定され、2012年に機関庫及び転車台が国の登録有形文化財に登録されたということ。辺りは公園として整備され、文字通り廃墟の佇まいの機関庫と不思議なコントラストを示している。この豊後森駅のひとつ大分寄りの恵良駅からその昔宮原(みやのはら)線という路線が小国町まで走っていた。小国には駅舎が残っていて前から興味があった。宮原線は豊後森機関庫ができた3年後の1937年(昭和12年)に恵良・宝泉寺間が開業した。その後間もなく戦争激化にともない不要不急線として延伸工事は中止、既開業区間も1943年(昭和18年)に休止、休止区間のレールは戦時中の金属供出に充てられたといわれている。戦後の1948年(昭和23年)には復活し、1954年(昭和29年)には大分・熊本県境を越えて肥後小国まで延伸され、農林資源の開発や観光路線として期待されたが、利用はふるわず、1984年(昭和59年)に全線廃止になった。そんな短命な路線とは知らなんだ。廃線跡を探索するサイトがあってなかなか興味深い。廃墟ってノスタルジーを感じさせる不思議な魅力があり。世の中には廃墟マニアとか廃墟観光とかの世界もあるらしい。いかん、そそられる。

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