ひとつの時代の完全な終わり

先週のニュースだが、ソニーの湖西テックが閉鎖されると報道された。完全閉鎖。更地にして売ってしまうのだろうか。ソニー湖西は「厚木」のプロカメラ、放送機器事業のモノづくりの拠点だった。海外生産するモデルも試作は必ずここでやった。技術の象徴のような工場だった。浜名湖の西に位置し新幹線の車窓からも望める。僕も何度も湖西テックには行ったことがある。そうかぁ、あの工場、なくなっちゃうのか。ソニー辞めてもう8年以上が経過するのでもう何がどうなっているのか皆目わからないが、幸田テックに業務移管されると聞いてさもありなんと思った。もう「厚木」というのも完全に死語なのかもしれない。僕らがやってた10年前は民生のカメラ事業とプロ用のカメラは技術も客も違う別の事業体だったが、キャノンのプロ市場殴り込みで一気に技術や製品の融合が進み、その影響を僕らはモロに受けた。組織の融合もどんどん進んでいった。ある種の弱肉強食だった。気がついたら、あのころブイブイ言わせていた民生のデジカメなんてプロ用カメラよりもっと先に影も形もなくなったが、組織や人のほうは、プロ系をやってた人のほうが影も形もなくまった。そしてプロ系の事業のシンボルだったソニー湖西。ここが閉鎖される。ひとつの時代の完全な終わりを感じた。

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