いまこそ事業計画でしょ

昨日の日経1面は「中小倒産増、上期4000件 – 物価高・人手不足響く 3年ぶり水準」未曾有のコロナ禍で頓死の危機に瀕した中小企業には、これまた未曾有の持続化施策が打たれ、企業倒産は人為的に低く抑えられてきた。あらゆるものが平時に戻りつつあるこんにち倒産が増えてきたことは驚くべきことではないのかもしれないが、見出しにもあるように、コロナ禍前と明らかに違うのはインフレと人手不足だ。30有余年、モノの値段も賃金もビクともせず低金利で運転資金や設備資金を借りられていた時代はもう完全に終わった。金利が「正常化」するのも時間の問題だ。事業計画をたて、予実管理をし、予実差を分析し、対策を打つ。大企業ではあたりまえのこのプロセスが中小・小規模企業では皆無といっていいくらい存在しない。少なくとも僕が出会った会社では。僕はこの2年、そのことを衝撃とともに受け止めているが、もちろん全然よしとはしていない。むしろ、だからこそ、いまこそ事業計画でしょ、と心から思う。事業計画は銀行とのその場を取り繕う、窮地を脱するための便法ではない。銀行云々よりも真摯に自己の現実と向き合い、SWOTに落とし込む、どうやったら強みと機会に活路を見出すかの、すぐれて「自身との対話」であると思う。立てた計画は必達でならねばならぬ。差分は反省されねばならぬ。だから分析可能な形で売上も経費もパラメーターに分解してシミュレーション可能でなければならぬ。書けば書くほどきれいごとに聞こえるかもしれないが、これはMUSTだ。当たり前のことをどう啓蒙し普及させるか。この1点に僕の存在意義はあるように最近は思えてきた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です