忘れないために
5年前の熊本地震。熊本県ではその記憶を震災遺構として南阿蘇村に9つの場所を特定して公開している。そのひとつ、東海大学の旧阿蘇キャンパスに行ってきた。東海大学の直下には当時知られていなかった断層が走り、それが5年前に大きくずれた。鉄筋3階建ての校舎は大きなダメージを受けた。それが当時のままの状態で保存されている。地表に現れた断層。数十メートルにわたって隆起し、亀裂していた。凄まじい。普段は蓋をしている当時の激震の思い出が蘇る。少し胸が苦しくなる。近くでは学生アパートが何棟も潰れ、3名の学生さんが亡くなった。若い学生が暮らし、学び、交流していたこの地区は、東海大が戻れなかったことで、本当に辛い時間を過ごしてきた。こうしたものを遺すことにはいろんな意見がいつもあると思うが、体験として共有していない多くの人に、防災の意識であったり、ここに学生と住民の営みがあったことを後々まで伝えるには絶対に必要なことだと思う。是非、多くの人に訪れてほしい。入場は無料。火曜日を除く毎日、9時~17時です。