島宇宙

きょうまた新しい言葉を教わった。「島宇宙」 通常は、「宇宙に点々と存在する銀河系外星雲(銀河)を、大海に浮かぶ島に見たてた語」だが、90年代前半から、社会学者の宮台真司氏が、「同じ価値観の者同士でくっついて他者とは干渉しない」という状態を「島宇宙化」という言葉で表現してきたらしい。初めて知ったが、約30年の時空を経て「いままさにそれでしょ」的、非常に迫真性を持った言葉だなぁと思った。「高度情報化社会」という言葉は僕らが社会人になった80年代半ばからあったが、本当に世の中が情報化したのはインターネットが使われだしてから。1995年の阪神大震災では早くも被害状況がネットで伝えられている。この頃から今日に至るまで一気に「情報爆発」の時代に突入する。情報が多くなればなるほど、人は自分の見たいものしか見ず、自分の好きな小さな世界に閉じこもるようになった。若い人はテレビでニュースを見なくなった。新聞も見なくなった。ものを知らなくなったし、知らなくてもOKな時代になった。ヤフーはその人の嗜好にあったニュースしか届けなくなった。スマホの小さなスクリーン上で展開される「好きなこと」に一日何時間も目が釘づけられるようになった。異なる価値観や知らないことは好奇心や異文化理解の対象ではなく、憎悪と排斥の対象になった。下手に意見してネットでボコボコになるよりは、「だよねー」の人々の中にいるほうがはるかにラクだ。「島宇宙」― なんて時代を的確に表現した言葉だろう。ここに今という時代の問題が相当に集約されている。

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