Gen Z
近頃よく耳にする「Z世代」。うちの2人の息子はどちらも30代に突入し、「ミレニアム世代」に属するらしく、身近にZ世代の若者がいないので、全然実感がなかったが、きのうたまたまZ世代についていろいろ話する機会があって俄然興味が湧いてきた。Z世代とは90年代後半から2012年までに生まれた人たちを指すそうで、歳でいうと今年9歳から25歳あたり。ちょうど大学を出て社会人になったかなり始めるあたりの人か。生まれたときからネット環境があって、24時間いつでもどこでも情報に触れているのが当たり前。情報収集力と感度はけた違い。また「失われた20年」とか「リーマンショック」とか長きにわたる不況の影響をモロに受けた「X世代」の親たちの影響で「堅実な経済観念」を持っている、とされている。子供の頃から「人間はみな平等で、個性は尊重されて当然」という教育環境で育ってきたので、多様性を重んじる価値観が強い一方で、「ありのまま」に「自分らしく」生きることを大事にする、らしい。実際にZ世代に触れる機会の多い同年代の人に言わせると、物怖じをせずストレートに自分の意見表明をする人が多い印象だそうで、これからの世の中を大きく変えていくのは彼らではないかと、すごく高い評価だ。もちろん、人それぞれ違うし、「●●世代」という型にはめる考えは危うさもあるけど、異なる情報環境が世代の特徴を決定づけるというのは結構説得力がある。湯水のような情報、いつでも「答え」を教えてくれる「Google先生」に囲まれて育ってきた彼らZ世代が僕らと同じはずがない。情報がいまより全然足りてなかった時代、僕たちは親や先生の価値観や言葉に大きく影響されてきた。呪いのように行動を制約してきたともいえる。18歳で親もと離れ大学に行って最初に強く感じたのは、そうしたものからの解放だった。でもやっぱり僕らは偏差値時代、単一な価値観の時代の申し子だ。いい大学、いい会社に入るのが幸せとされ、そのために塾に通わされ、企業にあっても深夜残業、サービス残業、休日出勤を厭わずやってきた。そうした個人と会社の強依存の関係はもう終焉しつつある。幸せや生きがいの定義も変わってきた今、彼らはどんな人生をデザインしていくのだろう。確かにこれから社会・企業・個人の関係は大きく変わる気がする。