食糧危機

きのう(4月5日)の日経新聞朝刊は、ウクライナ政府の発表として、ロシアによる黒海の港の封鎖で3月の主な穀物の輸出量が前月の4分の1に急減した、と報じている。現在ロシアとウクライナはそれぞれ世界1位と5位の小麦輸出国で、合わせて世界の年間需要の29%を占めるらしい。小麦だけではない。両国は大麦やトウモロコシからヒマワリまで人間や動物が消費する多くの油糧種子や穀物の輸出国トップ5に入る国で、合わせると世界で取引されるカロリーの12%を輸出している計算になるらしい。ロシア産の穀物は現下の経済制裁で各国はロシアからは買えない/買わなくなる。ウクライナは戦争で収穫や作付どころではない。戦闘が落ち着いても黒海が封鎖されているので代替の輸出ルートを新たにつくらねばならない。国連世界食糧計画(WFP)は今回のウクライナでの戦争が第2次世界大戦以来目にしたことのない大惨事を地域の農業と世界の食糧・穀物供給にもたらすと警告している。(https://toyokeizai.net/articles/-/579556)エネルギーも食糧も輸入に依存する日本は、今後もっと進行する円安も相まって、きっと戦後経験したことのない状況=食糧とエネルギーの高騰=になるのだろう。ようやくコロナの出口がほのかに見えてきた中、中小企業にとってはまたとてつもない逆風が吹くのかもしれない。コロナで働き方や生活様式が一変し、今回の事変で安全保障の前提が激変し、そしてついにエネルギーや食糧自給の問題にまで及びそう。国の存立基盤に関わる問題だ。鎖国下の江戸時代の天下泰平の中の突然の黒船に似ている。令和は動乱の時代だ。

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