大団円
話題沸騰の「カムカム」が最終回を迎えた。あれだけの時間軸と登場人物を爽快な「読後感」とともに描き切った。見事なドラマだった。いろんな思いが名シーンとともに蘇る。僕は目黒祐樹演じる勇さんの岡山弁が好きで。あれはとても上手。ああいうしゃべりの人、広島にもいたいた。あと、演出とはいえ、アニーさんが突然岡山弁で話し出したのにはなんかいたく感動した。普段は使ってなくても密かに自分の中に息づいている言葉ってあったりするのかもしれないなぁと。僕は高校までが広島育ちで大学で京都に出たときは広島弁しか喋れなかった。一人称は「ワシ」。広島では5歳児の男の子も自分のことはワシという(当時)。大学は関西を中心に全国から来てたので僕の広島弁はよくからかわれた。あれからあちこちで40年も生きる中でなんかすっかり抜けてしまった。帰省して親と話するときも向こうはバリバリだが、広島の地元の人が喋るような方言はもう僕から出てこない。東京ことばでもなし関西弁でもなしましてや九州のことばでもなし… 加齢とともに人間「地金」がだんだん表出してくるというが、アニーさんみたいにある日突然僕が広島弁を喋り出す日がくるのだろうか。