自由と民主主義の敵
昨日放送されたNHKの「BS世界のドキュメンタリー プーチン 戦争への道〜なぜ侵攻に踏み切ったのか〜」はアメリカの公共放送サービスPBSが制作した番組だったが、すごくよく出来た番組で見入ってしまった。同時に、世界は22年もの間、この狂人に対して何も成す術がなかったことに暗澹とした。プーチンがエリツィンを継いで新しい大統領になった2000年、当時の米大統領クリントンはプーチンがどんな男か品定めにモスクワに向かうが、会談してすぐにプーチンは民主主義など欠片も信じていない男であることを見抜いた。ロシアの民主化を志向したエリツィンは死ぬ間際にプーチンを大統領に据えたことを後悔したという。遅いわ。プーチンが22年間、ロシア国内で、チェチェンで、グルジアで、シリアでやってきたことは要するに自身の権力維持・誇示・拡大のために手段を択ばない「21世紀最悪の殺人」だと。あの番組を見ると、今回の軍事侵攻が容易には終わらないことがわかるし、独立国家ウクライナを本気でなきものにしようとしているのだということもわかる。今回のことで、改めて「自由と民主主義」というものがいかに人々の人生と幸せにとって大事かということを僕自身痛感したし、GDPで20兆円に満たない小さな国が文字通り自由と民主主義を賭けて必死でプーチンと戦っていることを世界は絶対に見殺しにできないと思った。プーチンは自由と民主主義にとっては悪性の癌であり真の敵だと思うし、世界はプーチンとは絶対に共存できない。