異次元の進化

きのうは前期最高益を叩き出したソニーグループの経営方針説明会があったので、会長兼社長、CEOの吉田さんの話をウェッブの映像でみてみた。かつてはソニー社員の端くれだった僕だが、久々に聞くともう自分のいた時代ははるか昔のことだというくらい、いろんなことが変わったことを実感した。「ほんとすげぇな」という感想に尽きる。きのうはエンタメ3事業(ゲーム、音楽、映画)の話が中心だった。感動をつくるのはコンテンツ、そのコンテンツを創りだすクリエーターに寄り添い必要とされ愛されるか、そのために積極的なM&Aと技術投資を行っているという話が中心だった。その考えは、まさに祖業ともいえる、僕がソニーでのキャリアの最後に在籍した放送機器事業の考え方であり実践の話だと思った。厚木の文化はいまやエンタメに継承され息づいているのだと勝手に解釈したが、うれしい話。でも、きのう説明会を聞いていた日本のメディアはあまり馴染みのない海外のエンタメ事業の話に正直「きょとん」状態ではなかったか。昭和の人はソニーといえば「製造業」「モノづくり」のイメージをいまだに持っているはず。実際、自分が中途入社した98年は、こんな東京のど真ん中ではんだごて片手に設計してるエンジニアがわんさかいてかなり驚いた。そのモノづくり中心会社が「ソニー株式会社」。ソニー株と呼んでいた。音楽、映画、ゲームはソニー株の下にぶらさがる子会社の事業。製品事業以外にもこんなことやってます的な、いわば「おまけ」に近い扱いだった。それがいまやM&Aを繰り返し収益性もあがりグループの顔であり事業の大きな柱になった。昨日の説明会では製品の話はプレステ5がチラッと出た以外は一切出なかった。グループ経営方針説明会ということもあるだろうけど、個別のラインナップは、いまや同じ子会社の立場になった製品事業部の個別マターということか。ソニーグループは4,5年前に「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というパーパスを掲げて、パーパス経営の先鞭をつけた会社だが、まさにこのパーパスに沿って異次元の進化を遂げている最中であることがよくわかった。ほんとすげぇな。

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