イカ王子
よく知っている人がテレビ全国ネットのバラエティ番組に出るというので観た。鈴木良太さん。岩手県宮古市の共和水産という水産加工会社の専務さん。地元では「イカ王子」の名で知られる。というか自分で「イカ王子」と名乗って地元の水産業の盛り上げだけでなく、宮古という地域の復興と復活を期していろんな活動をしている。僕にとっては尊崇の対象だ。番組は「ハンカチ王子」の斎藤佑樹が宮古にすごい王子がいるというので実際に訪ねてみたという設定で、イカ王子のストーリーがたっぷり紹介されていた。知ってるつもりでも番組観て改めてすごい人だと思った。イカ王子と知り合ったのは5年前。トーマツの人材育成塾で、僕が初めて担当した塾生の花坂さんという、これまた地域愛、宮古愛の塊のような人を通じてだった。2017年に僕は初めて三陸という地域を訪れたのだが、それまで311のことはテレビ越しの物語で何かリアリティを持って受け止めることができなかった。しかし実際に現地に行って往時の話を直接聞き、そこで頑張っている人々を間近で見ることで、311のことがようやく少しだけ共有できた気がした。コロナ前はたぶんいろんなことで岩手には年に20回くらい行った。中でも東北経産局の仕事でインバウンド観光商品をつくるという仕事は僕が全部仕切ってやったのでひと際思い出深い。イカ王子の宮古魚市場のツアーは秀逸だった。セリ体験を外国人に体験させるという企画は好評だった。あとでイカ王子が自腹でセリ対象の魚を仕入れたと聞いて驚いたし感動した。冒頭の番組でイカ王子は「震災があって自分は吹っ切ったんです」と言っていたが、言うのは簡単だが、彼ほど吹っ切って徹底してとことん追求する人は稀だと思う。語り口さわやかで言語明瞭、意味明瞭、本当にいつも話が面白い人だが、やっていることは鬼気迫るものがある。テレビ越しではあったが久々イカ王子に会えてよかった。また宮古に行ってみたくなった。