一発触発

アメリカのペロシ下院議長がついに昨晩台湾に入った。万一の偶発的衝突に備え米中双方空母を出したりヘリを出したりして一発触発状態だったらしい。ウクライナに次いでこの「事件」は米中対立激化の転換点になるのかもしれない。それにしても中国から公式に発せられるメッセージは下品だ。「火遊びすれば身を焦がす」「中国軍は決して座視しない」云々。ヤクザが路上で「こらぁー」と平和な民間人を捕まえて喚いている図だ。こんな輩にタイマンはれるのはやっぱアメリカしかいない。こういうときだからこそ、戦後のパックス・アメリカーナ(Pax Americana)の恩恵とありがたみを心底感じることができる。心配なのは米中対立以上にアメリカの衰退だ。アメリカ人の半数が「近いうちに2回目の内戦が起きる」と予想しているという調査結果が先週大学の論文(査読前)で公表されたそうだ。調査対象は男女8620人、そのうち50.6%が女性、平均年齢は48.4歳。結構高齢な印象。回答者の約3分の2にあたる67.2%が「民主主義に対する深刻な脅威を感じている」と回答し、ちょうど半分にあたる50.1%の回答者が「今後数年の間にアメリカで内戦が起きる」との設問に「同意する」と答えたということ。半分って...すごい。トランプは本当にアメリカを劣化させ壊したが、その傷はどんどん悪化しているように見える。2年後の大統領選でトランプが復活するようなことがあればこの世は終わるくらいの絶望が世界を覆うだろう。トランプでもバイデンでもない第3の人がきっと出てくるのだろうが、いずれにしても憂鬱な先行きだ。

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