辛い過去
きのうのNHKの番組「映像の世紀 バタフライエフェクト ― 東京 破壊と創造 関東大震災と東京大空襲」を観た。毎回毎回ほんとうによく出来た番組でいつもながら食い入るように観てしまった。関東大震災が起きたのは1923年9月1日。今年で99年。来年は100年だ。ラジオもテレビもない時代によくこんなに映像が残っていたなと思うくらい豊富な映像だった。本所被服廠跡の火災旋風で4万人が焼死した悲劇も改めてこの映像で再認識。過密都市の被災の恐ろしさだ。同じことはまた起きうる。そして東京大空襲。一晩で300機以上のB29 が飛来し、1500トン分の焼夷弾を投下し東京の街の約41平方キロを焼き尽くし、10万人が亡くなり100万人が住む家を失ったという事件。文字通り東京という街を殲滅し、生きている人を焼き殺すためだけに行われた。いまなら間違いなく戦争犯罪そのものだ。当時、世界中を相手に戦争していた日本は「連合国」によってこの世から国ごと抹殺されようとしていたというのは戦慄を覚える。8月15日に降伏しなかったら3発目以降の原爆が京都や他の町に投下されていた。本土上陸ということになれば、沖縄みたく各地で市街戦になって100万人単位で民間人、非戦闘員が殺されていただろう。世界から孤立し憎悪されていた日本。世界からこの国は消えてなくなってもいいと思われていたとしか思えない。これこそ国辱の極み。やはり8月というのは、この辛い過去に何度も何度も向き合うべき月なのだと改めて思った。