タイパ

最近まで知らなかったこの言葉。タイムパフォーマンス。かけた時間に対する満足度のことを指すそうで、特に映像コンテンツが超過多な時代、YouTubeなどをひたすら見てるといくら時間があっても全然足らなくなるので、再生速度を上げながらできるだけたくさんの映像を消費する最近の若い人のコンテンツ消費行動、コンテンツ生活様式を象徴する言葉らしい。再生速度を上げると聞くと僕なんかは、古くはレコードの33回転vs45回転、もうちょっと最近で言っても、何十年か前のビデオの早送り再生等、早回しすると音が元のコンテンツと変わってしまうし、もうコントな感じの映像にしかならないイメージだったが、最近の倍速再生は違う。試しに昨日「インボイス制度」の解説動画をYouTubeで1.5倍速で再生してみたが、これがなんとかなり大丈夫だった。何をしゃべっているのかちゃんとストレスなく内容を聞きとれるし、確かに時間節約になる。なるほどー、これがタイパか。ま、これはこれでテクノロジーが可能にした新たなコンテンツ消費スタイルということで一応納得。他方、「タイパな消費」はコンテンツに向き合うもっと根本的なとこを変えつつあるらしい。音楽も動画もどんどん超短尺化している。Facebookで出回ってくるリール動画、TikTokは刺激的でインパクトのある一瞬を切り取ったもの。音楽も最近はもうサビだけでいいらしい。イントロもほぼなくなりつつあり、いきなりサビで始まる音楽が流行るらしい。わびさび、余韻、行間などという言葉はたぶんもう死語だ。劇場で2時間も映画を見るやつはバカということになるのかもしれない。コミュニケーションそのものが変わるかもしれない。「結論から言えよ」的な。中身のない話でもつかみと勢いでウケればいい、的な。もうそうなっているのかもしれないが。やっぱ、ヤな世の中だ。

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