防衛費政局に思う

防衛費を賄う増税の問題が自民党内の政局化の兆候を見せ始めている。自民党内はもはや学級崩壊状態に見える。政権発足からたったの1年半。早くも自分らが選んだリーダーを使い捨てか。岸田さんが言ったとされる「防衛力の抜本強化は安全保障政策の大転換で、時代を画するものだ。責任ある財源を考えるべきで、今を生きる国民が自らの責任としてその重みを背負って対応すべきものだ」は、普通に考えればそのとおりだと思う。何も増額分を全部増税でとは誰も言っていない。財源の選択肢に増税を完全排除する考え方のほうがむしろ奇異だと思う。現下の状況はある意味Pax Americanaのパラダイムで安保を安く済ませてきた戦後時代のツケだ。この数年でパラダイムは変わった。グローバリズムから反グローバリズムに時代は急変、権威主義とあからさまな暴力が世界に蔓延り、「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼」するだけでは自国の安全を守れない時代に急になってしまった。この先、移民を容れない日本はこの先人口急減によって1990年前後の往時に比べいろんな意味でショボい国になっていく。急変した外部環境下で、ある意味衰退が既に「セット」されてしまったこの国が、国家としてどう生き残っていくべきなのかの大局観と話法が首相にも自民党にも政治家にもない気がする。「こんなんじゃ週末の地元の集会で説明できない、選挙に勝てない」次元の話で、首相を次々首相を変えんなよ。

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