日本の財政②
昨日に引き続き「日本の財政関係資料」の話。まだ「成長」が能天気なまでに信じられ、明日は今日よりもっとよくなるとみなが信じていた1987年、からの35年間の税収の推移のグラフ。実に含蓄が深い。1990年のピークまでの4カ年は所謂バブル期で税収は駆け上がっている。そしてそのあとの「失われた20年」。政治も経済もメタメタだった。それからのリーマンショック。税収はなんと40兆円を切っている。第2次安倍政権以降は法人税も所得税も回復基調。何よりも消費税増税が効いていて税収はバブル期を超えるレベルまでになった。やはり安倍政権は経済運営という面では立派な成果を出したのだ。今年度の税収はひょっとすると70兆円に達するかもしれない。安定盤石な安倍政権下だからこそできた消費税増税。この決定がなければ日本の財政はいまごろはもっと悲惨なことになっていた。このグラフがもうひとつ面白いのは、消費額がこの30年伸びていないことが逆算してわかること。3%時代の消費税収は6兆円。5%時代は10兆円。10%時代のいまは20兆円。要は分母は200兆円のままなのだ。消費税のメリットは消費が伸びれば税収も増えると35年前は説明された。原理はそのとおりだが実際には消費は伸びなかった。昨日も書いたが、結局国内消費を伸ばさないと財政も成り立たないということだ。しかるに、これまで日本の消費を牽引してきた団塊の世代の一斉後期高齢者化でこの先むしろ消費は減るのではないかと思う。どうする、家康、じゃなかった、日本。結局この問題、「第2の開国」しか解がないのではないか。海外投資の積極的な誘致/受入れ、移民の受け入れ、インバウンドのさらなる受入れ等々。要するに日本人がカネを使わないのなら、外国人にこの国に来て住んで消費してもらうしかない。日本人がいまの水準の福祉(年金、医療、介護)を維持したいのならそれしかないでしょ、と、このグラフをしげしげと眺めつつ思うのである。