激変緩和政策
一昨年に引っ越してほどなく電気供給の契約先を九州電力から「auでんき」に切り替えた。メリットはいろいろあったが一番はスマホのアプリで電気利用の日量が見えるということ。電気料金だけではなく物量ベースでいくら電気をどのくらい使ったがグラフで一目瞭然。寒暖差激しい阿蘇地域では冬の電気使用量がハンパない。夫婦二人の生活なのにエアコンをつけっぱなしにしないと寒くてやっていけない。12月~2月の極寒3ヶ月の電気使用量はだいたい月1000kWh前後。今月も電気代相当かかるよな、と思っていたら、今月は先月より随分と安い。寒い今冬。電気は前月並みかそれ以上使っているはずなのに、と思ったら、そうか、今月使用分から電気代が下がるのだった。低圧契約は7円/kWh下がる。月1000kWhも使う我が家は今月来月は約7000円/月も浮く計算。ありがたいといえばありがたい。が、大丈夫か、こんな大盤振る舞い。経産省の令和3年補正予算の資料をみると、激変緩和と銘打たれた政策、いちおう今年8月までの期限が設けてあるが、電気代補助に3兆円。継続しているガソリン代補助にもう3兆円。合わせて6兆円。コロナで100兆円突っ込んだと思ったら今度はエネルギー。なかなかこんな「優しい」国は他にはないと思う。これだけやってもあれだけ批判される政権。やってられないぜ、な気にならないのだろうか。外部環境の激変は全て政府が緩和する。緩和された状態をいつしか常態だと国民は勘違いするはずだ。かくして日本では「神のみえざる手」はいつまでも出番がない。だからいつまでたっても経済合理性の感覚も公の意識も育たないのだと思う。