未来の年表
「未来の年表」シリーズ。今回はビジネスに焦点を当てた新刊が出た。今後の中小企業をとりまく外部環境という意味で大いに仕事と関係するテーマなので早速買って読んでみた。もう「地獄の黙示録」といっていいほど憂鬱で暗い内容のオンパレードだった。自動車会社にいた若い時分に調査部のえらい人から「人口は絶対に当たる未来なので、人口のことをよく勉強しておけ」と言われたことを思いだした。そう、ここに書かれていることは「予想」ではなく確実に起きる未来なのだ。著者は人口減少を所与として経営者はこれから事業領域や投資領域を絞り「戦略的に縮め」という。他にも「薄利多売」→「厚利少売」、「多極分散」→「多極集中」に転換せよという。どれもその通りだと思う。要するに環境変化に適応して自身も変化させろということだ。当たり前っちゃぁ当たり前。この当たり前が我々日本人はすごく苦手。為末大氏は先月ツイッターに「日本の意思決定の特徴は止むに止まれずという状況でなされる点だと思います。追い込まれて、どうしようもなくなって、本当はそうしたくはないのだけれど、というところで厳しい意思決定をくだします。誰かの意思ではなく、もうしょうがないよねここまできたらという空気が決めます。」と投稿した。ほんと、これ。少子化対策しかり、安全保障問題しかり、年金問題しかり。先を読んでもっと早く手を打ってればこうはなってないでしょう、ということの死屍累々を僕らはいま目にしている。深い絶望が若い世代に伝播していく。