7年

熊本地震から7年。7年も早いが1年も早い。時間が経つのが加速度的に速くなっている気がする。前も書いたが、僕にとっての熊本地震は2016年4月16日未明の2度目の烈震。でも僕の記憶の中では発災は4月15日の深夜。だからきょう15日が周年の日というのは感覚的にはフィットする。あんな大きな災害をもたらす地震なんか人生の中で遭遇しないに越したことはない。地震のせいで僕と妻の生活は大きく変わった。前年移住したばかり。妻はせっかく得た薬剤師の仕事を辞めた。僕は仕事場と家とクルマでもJRでも行き来できなくなった。地震がなければこの家を空家にして福岡に住むこともなかった。他方、地震があったから経験できたこと、知りえたこと、出会った人、たくさんある。特に最近思うのは、あの地震のあとの、復興支援と呼ばれるいろんな取組への僕の行動エネルギーは自分で言うのもナニだが確かにすごかった。発想、判断、行動。全てが平時とは違うエネルギーで動いていた。あれはいったい何だったんだろうと今は思う。同じことが今できるかというと自信がない。というかきっとできないと思う。あのときに自分を突き動かしたものとは何か。きっと自分の心を捉えた何かの「已むに已まれぬ想い」だったんだろう。経営においては「想いが大切」と、今こういう仕事をしながら人にえらそうに言えるのも、あのときの経験と実績から、心からそう思うことができたからだと思う。震災直後の不安でやるせない気持ちは、時の経過とともに風化というかだんだん記憶の彼方に行ってしまうのだが、あの日が僕の人生の中では間違いなくターニングポイントだったという思いはいまも鮮明だ。

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